「ブランディングとは何か」買い物中に見つけた、愛着と共感を呼ぶ注意書き

ブランディングとは何か?愛着と共感を呼ぶストーリー13-分析しよう

あめもとです。

妻と出会ってから、彼女がアロマやお香を愛用しているので、それを分けてもらって使うようになりました。

二人目の子どもが生まれてから忙しくなり、香りに気を使う余裕もなかったのですが部屋のレイアウト変更をしたことでそういえばそうだったな、と思い出したのでした。

久々に買おうと思った商品に添えられた注意書き

以前使っていたのは”Papier d’Arménie”というフランスの紙のお香でした。

燃やすことで紙に染み込んだ香りが広がるタイプのお香で、とても気に入っていたのですがあるときからどこを探しても売っているところがなくて、それとともにお香を使う習慣が途切れてしまったんだ、と気づきました。

それが久々にネットで検索してみたら、買えるようになっていたのです。

良かったよかった、とカートに入れる途中で注意書きに気が付きました。

フランス生産工場の火災に伴う仕様の変更について
パピエダルメニイ トリプルをご愛顧いただきましてありがとうございます。
2017年2月のフランス生産工場の火災の件をうけて、メーカーより仕様変更の報告を受けました。
すべて焼失されたトリプルの復興・再現のため、日々研究・改良を重ねた結果、
かなりの歳月を要しましたが香りは限りなく近づいたもので納品がございました。
表紙も変わり、ペーパーカラーも白に近くなり、
香りも以前の香りと幾らか違いを感じられるかもしれませんが、
すべて手作業で、行程に大変時間がかかる困難な作業の中、現在なし得るベストが尽くされた香りとなっております。
今後とも香りに関しましては日々研究・努力を続けてまいりますので、
何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

※ペーパーの色は、ページによって顕著に濃淡の違いがみられることがございます。
予めご了承のうえお買い求めくださいませ。

工場の火災事故からの復活の物語

この注意書きは淡々と事実を書いているのですが、どうしても行間を読んでしまいます。
この商品を復活させた人々の思いや苦労を想像します。

完全に再現できていないことへのもどかしさや悔しさすら感じられます。

妻にも話すと「ええ~それは大変だったんだね、応援したくなっちゃう」と。

語りすぎないことで送り手の思いを想像する

たとえば今どき、再開に向けてのプロセスを公開していくという手もあるのかもしれません。その方がたくさんのことをビジュアルで、言葉で語れるでしょう。

しかし現に僕らは、この端的な注意書きを読んで応援したいと強く思ったのです。

ブランディングとは何を語らないかである

ということは、要となる部分を押さえていれば多くを語らなくても伝わるということ。

今回で言えば、長い歴史のある商品を事故であるとはいえ途切れさせてしまったこと。
それに対してもう一度再現を試み、完全には納得しないまでも出来うる限りのベストを尽くしたこと。商品への愛情、職人的なこだわり。

仕事というのは、多くの雑多な作業、失敗や無駄な寄り道の繰り返しです。

しかしその中に、自分たちにしかできないことはたしかにあり、それについて語ることができれば、その商品は唯一無二のものとなり、スペックや価格など二の次に選ばれることになるのかもしれません。

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