【読みメモ】銃・病原菌・鉄(上) 1万3000年にわたる人類史の謎

そういえばなぜかnaverまとめにこの本のまとめをかなり丁寧に編集して投稿したのを思い出した。わざわざイラストまで描いたのを覚えている。いまから6年前のことだ。せっかくなのでこれも読書メモとしてこちらにうつしておこう。
なおサピエンス全史は上巻がまもなく読み終えられそうなところ。面白い箇所が多すぎてなかなか進まない。kindleなのでマークした部分を引用しやすいんですけどね。

「銃・病原菌・鉄」ー地球上の経済格差と文化の違いの原因はなんだ?【人類史】

大きな視点で今を見るために、歴史から学ぼうー。情報革命、震災。目先の出来事に気持ちを左右されるのは避けられないけれど、あらゆるものごとを俯瞰でみる視点を持つことで、見えてくる現在の姿もあるはずだ。

人類の拡散

年代については諸説あり資料ごとにばらつきがあるけど、本書に近いものがこれ。
700万年前 アフリカに人類の祖先が現れる
400万年前 直立二足歩行をはじめる
250万年前 大型化、脳の肥大化、石器の使用
10~5万年前 現代人とほぼ同じ骨格に
2~1万3000年前 農耕がはじまる
【はじめに】紀元前二千年までには、地球のほぼ全土に人類が進出した
【疑問】ではなぜ人類は、到達した大陸順に発展してこなかったのか?
そもそも今、”なぜこんなに違うのか”?国や地域は違えど同じ人間が作った社会なのに。
言い換えれば、
なぜ現在のほとんどの先進国は白人の国なのか?
侵略する側とされる側の勝敗を分けたのは何だったのか?
なぜ国の歴史の長さと発展の具合が比例しないのか?
そのような疑問を、さまざまな分野からの視点を注ぎ込み解決しようと試みているのがこの本。
【まず結論】人類の歴史の多様性は、自然環境の差異によるもの!
これが本書の結論だ。
人類の歴史は民族間の能力の優劣ではなく、自然環境の差異に大きく左右されてきた。

社会形成へのプロセス

例外はあるが、概ねこのようなプロセスを経ていく
このように根底には自然環境が大きく影響する
またこの手の流れを見る際に忘れてはならないのは、これらが途方もない時間をかけて進んでいったことだということ

【Ⅰ】最も早く発展したユーラシア大陸を助けた自然環境要因とは?

【Ⅰ- a】世界最初の文明といわれるメソポタミアで見てみよう
①地形/起伏に富んでいる
死海 標高約-400m
テヘランの山々 アルボルズ山脈 最大標高約5,500m
まで高低差がさまざまで、作物の収穫時期をずらすことができ、季節ごとに食料を得ることができた。
②気候/夏・冬がはっきりした地中海性気候
③植物/栽培しやすい植物が自生していた
大麦・小麦は大量採集可能なかたちで群生していた
労働エネルギーに対し食物エネルギーが豊富
野生種をあまり改良しなくても栽培化できた
④動物/家畜化しやすい動物が生息していた
二十世紀までに家畜化された野生祖先種十三種のうち七種が生息していた
彼らは家畜化するのに適した生態・性質を持っていた

【Ⅰ- b】大地の広がる方向が作物伝播の速度を決める

東西に広がった大陸=緯度が同じ
作物の伝播先の気候・季節サイクルが同じ
南北に広がった大陸=経度が同じ
作物の伝播先の気候・季節サイクルがちがう
そのため伝播の速度に差ができた
また作物伝播の速度は文化(車輪などの技術や文字)の伝播にも間接的に影響を与えている

【Ⅱ】侵略する側、される側を分けた要因とは?

【Ⅱ- a】貯蓄が分業化を可能にし、侵略を有利に
【Ⅰ】で示したような栽培化・家畜化に成功した文明は、食料の貯蓄ができるようになり、社会を形成し分業化が可能となった
その結果、侵略に有利な軍事力の整備・武器の製造・文字による記録が可能になった
このプロセスが早くに起こった文明・地域が、優位に立ったといえる
【Ⅱ- b】家畜との生活で病原菌への免疫がついた
人を死に至らしめる病原菌に対する免疫を長い間でつけることができた文明とそれができなかったために一気に感染症が広まり侵略されてしまった文明とがある
この違いは、家畜とともに長い間生活していたかが大きい
つまり、現地人が免疫を持たない病原菌は、侵略者にとって大きな武力となったのだ